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『新お化けの住む村』 10 大きな桜の木の下で [新「お化けの住む村」]

ある4月の天気の良い日。
夢野先生は、父兄の方と一緒にお寺を見学に来ています。
学校の子供達も一緒です。

子供達は、古い古い大きなお寺の門を見上げて
『へえぇ~』 と感心しています。
そして、お寺の中のあちこちを興味深く探索し、
きゃぁきゃぁ とはしゃいでいます。

一回りしたところで、お寺の広いお庭でお昼ご飯の時間です。
子供達は、それぞれの親と一緒に手作りのお弁当を食べています。

お昼ご飯が終わる頃、夢野先生は、
父兄の方を一本の大きな桜の木の前に集めました。

そして、夢野先生は次のようにお話を始めました。

『この桜の木は、大きくなるまでに
何百年という時間を生きて成長しました。
今でこそ、こんなに美しい桜の花を咲かせて、
みなさんを魅了していますが、
ここまで成長するまでに、ずっとずっと木の枝のままだったり、
土の中の栄養があまり取れなくて、大きくなる苦労をしてきました。』

集まった父兄の人はみんな、夢野先生の話を真剣に聞いています。

『毎日お子さんの姿を見て、
・もっと勉強が・・・。
・もっと落ち着きが・・・。
・もってお手伝いしてくれれば・・・。
などと思うかもしれませんが、
子供の成長にも時間がかかるのです。
今すぐのお子さんの姿だけで判断せず、
時間をかけて、ゆっくり見守って欲しいです。』

『私が言いたいのは、お子さんは必ず大人に成長します。
焦ったり、短気にならずに、おおらかな心でお子さんと接して欲しいという事です。』

話をきいていた父兄の人は、
夢野先生に大きな拍手を送りました。
みなさん、夢野先生のお話に共感され、納得していたそうです。


子供の成長は、個々に違います。
偏差値とか、学歴だけで判断する事は、
画一的で、必ずしも妥当とはいえないのです。

数字では見えない、想像力、発想力、歌やダンスの表現力、
子供一人一人に、素敵な才能は必ずあるのです。

大事なのは、その才能を認めて褒めてあげる事ではないのでしょうか?

今の教育にその部分が劣っている事は少し残念に思います。
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新「お化けの住む村」 その9 新しい先生 [新「お化けの住む村」]

オバケちゃんの村に、春が来て、
学校に新しい先生がくることになりました。

名前は夢野先生といいます。男性です。

4月からというのに、
少しでもみんなと仲良くしたいと
まだ2月なのに、もう学校にきました。
校長先生の家に住むそうです。

学校で校長先生の朝の挨拶がはじまりました。

そのお話の中に、「みんな仲良くやさしく親切な心を持ちましょう」という
お話しがありましたが、子供達は他人に親切の意味がよくわかりませんでした。

そこで、夢野先生に、聞くことにしました。
すると先生は、他人に親切にするのは
自分のためなんだよといいながら昔話をきかせはじめました。


これは、むかしむかしまだ車も電車もない頃のお話です。

お寺のそばの大きな木の横で、ひげぼうぼうで体が大きい侍が
苦しそうに痛い痛いとうなっておりました。

みんなは怖そうで汚らしい姿をみて誰もちかずきません。

そこにひとりの女の子がやってきて、
”お侍さんどうしたの?”と聞いてきました。

”むすめさんおなかが痛くて薬を飲もうとしたが、水がなくてのめないんだ。
水をたのむ” といってきました。

女の子はうんと言うなり、お寺からお湯をはこんできました。
大きな侍は薬をのむことができて痛みがとまったようです。
お礼を、いいながら山を登って消えていきました。

それから何ヶ月すぎたある日、女の子とお母さんがとなりの村に
買い物にでかけましたが、
帰るのが遅くなったので近回りして帰ろうと
山道を帰ることにしました。

山のてっぺんまで来た時、突然 ”おい!そこのふたりちょい待ちな。

お金おいてかないと、この道は通行止めだよ”と手を広げて山賊が現れました。
お母さんと女の子は縛られてしまいました。 さぁたいへんです!!!

女の子は殺されるか売られてしまいます。

シクシクと泣いているところに山賊の親分が現れて女の子を見るなり、
子分に早く縄をはずして村まで送り届けろと叱りとばしました。

子分はきょとんとして言われたとうり村までおくりとどけたそうです。

そうなんです。じつは親分のお父さんはあの大きなお侍だったんですね。
山で捕まえたイノシシの肉や木の実のおみやげまでいただいたそうです。

他人にやさしく親切というのは、
いつの日か自分にもどってくるというおはなしです。

そういいながら夢野先生はこどもたちに
”他人のためなんて思わないで自分ためと
優しい心もつようにしょうね”と笑っていました。

オバケちゃんもこの話ちゃんときいてたかな?

夢野先生すてきですねこれから活躍しそう。


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新「お化けの住む村」 その8 お年寄りのお友達活躍 [新「お化けの住む村」]

カラン♪ カラン♪  
学校での勉強が終わる音とともに、
子供たちが飛び出してきます。

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腕白な男の子が、みんなに声をかけています。
 
「明日の日曜日は、ひみつの丘に集まれ!」
子供たちは, 「オーケー!」  「は~い。」と返事をしています。

妖精ちゃんも、「はーい」と返事しました。
すると  隣にいた智ちゃんが、
「明日だめだよ。 雨ふるよ? 私行かないよ。」
そういって先に帰りました。

みんな 「なんで???」
不思議そうな顔をしました。

こんなに晴れてるのに・・・?
男の子は 「大丈夫だよ!みんなおいでよ!!
ほら、小鳥さんたちもこんなに元気に飛んでるじゃん。」と
言いました。

「そうだ そうだ。 こんなに低く僕たちの近くを、
飛んでいる。集まろうぜ!」 
ほかの男の子も、声をそろえました。

ひとりの女の子は
「智ちゃんはきっとまた、お年寄りの家いくので
遊べないからヤキモチ焼いているんだよ、。」

「じゃあみんな明日お昼に集まろうねw
丘の上の1本松の木だよ!」

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次の日、お昼にみんな集まってきました。

「ほら晴れだろう?すこし風あるけどね。」
「うんうん^^」
みんなもうなずきました。

まずはこの木を囲んで。みんな下を向いてよ。
俺が最初鬼で、みんなのまわりをぐるぐるまわりながらハンカチ落とすから。
ひとまわりしてきがつかないと罰として歌をうたうんだよ。
ワイワイ キャアキャア 遊んでいます。

妖精ちゃんの鬼の番の時、
空がいつの間にか、真っ黒です。

いきなり ピカッゴロゴロドーン! 雷です!
ザぁー・・・。 すごい雨です。

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みんなはぬれちゃうので松の木から動けません。
智ちゃんは、お年寄りの家にいます。

おばぁさんが
「このカミナリさん、ずいぶん近くにきてるなぁ。
若いカミナリさんだから、どこかの木に落ちるかもしれない。」と
くわばらくわばらと震えています。

智ちゃんは、それを聞いて
ひみつの丘に走っていきました。

「みんな!その木から離れてえええぇぇ!!」
子供たちは、その声で木から離れました。

ドーン! バリバリッ!

カミナリが、その木に落ちてきました。
危ないところでした。

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子供たちは
「智ちゃん、なんで雨やカミナリの落ちるのがわかったの?」と、
聞いてきました。

智ちゃんは、お年寄りの方が小鳥が低くとぶ時は、
小鳥のごはんの虫さんが、雨をよけるために葉っぱのうらに非難するので
低く飛ぶことや、
原っぱで1つだけ高い木があると、カミナリさんが落ちやすいことを
お年寄りの方に、聞いたとを話しました。

「みんながわたしに声をかけてくれたからここにいること、
知っていたし、仲良しのみんなだから大事にしたいからおしえにきたのよ」と
笑っていました。
みんなはそれから、智かぁさんと、呼ぶそうです。

でもおばけちゃん今回は出番なかったね  まぁいいか


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新「お化けの住む村」 その7 見た目で判断しちゃいけないよ。 [新「お化けの住む村」]

村の人も知らない国で、大きな台風がきたそうです。
村の偉い人が、隣どうしの村村に声をかけて
お見舞いをしたそうです。
お見舞いしようといいだした方は、褒められたそうです。

数日後には、その話はきえてしまいました。


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ある夕方、お腹がすいた妖精ちゃんが、
お菓子を買いに、お店にくると
「これ、もう売れ残るよ。私が全部買うから、ひとつ20円にしなさい。
これも、20円なら全部いただくよ。」
なんと100円のパン、お菓子を20円にまけろと
だだをこねているおじさんがいました!

びっくりし見ていると 友達が来て、 
「あのおじさんいつも来るんだよ。
野菜も魚もお肉もまけろやすくしろと たくさん買い物していくよ。
あんなにたくさん買い物するのに、毎週くるんだよ!」

そういえば袋に、たくさん食べ物が入っていました。
すごいなぁ・・・。
友達が  「あのおじさんお金持ちなのに ケチだねぇ。」と。

そうなんです。 村ではケチおじさんで有名でした。
でも本当にそうなんでしょうか・・・?

ケチおじさんは、袋をかついで家にすたこらすたこら帰って行きました。

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妖精ちゃんは 首をかしげておうちに帰り、
村長さんに聞くことにしましたが、村長さんも、首をかしげるだけでした。
朝早く、自転車でどこか行く事しかわからないそうです。


次の日、学校に来た妖精ちゃんは、
夢野大地先生にも聞いてみました。
夢野大地先生は、
「そのような生活の工夫をしているので、
村の中で、お金持ちとして暮らしているのでしょうね。
でも、本当の事はそれ以外にもある事も知って下さい。
本当にケチなのか? 違う理由があるのかもしれません。」
と話してくれました。

そうなるとおばけちゃんの出番です。
ケチおじさんについていきました。

前の日に買い求めた品物をいくつにも分けてあり、
村はずれの浜辺に来ると、  
この前の台風で、船が壊れて修理してる外国の方たちに、
食べ物を配っています。  

次には、他の村からきて仕事を求めて来た人のところにも・・・。

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夢野大地先生は、朝早く起きて、海岸を走っていたので、
ケチおじさんが、食べ物を配っている事を知っていました。

でも、妖精ちゃんには、わざと教えませんでした。
それは、妖精ちゃんに 「他の理由を考える」
という行動をして欲しかったからです。

考える事で、想像力が膨らみ、
また、このケチおじさんの本当の姿をそっとしておきたい
という気持ちも多くありました。
だから、妖精ちゃんには、本当の事を話しませんでした。


ケチおじさんは、勿論、お礼など頂いていません。  
どこかの偉い人たちみたいに
良いことしてるよと見せびらかしてもいません。  

困ってる人がいると、自然と行動してるらしくて、
ここではケチおじさんではありません!!

みんなに、「明日は良いことあるから頑張ろう」と声かけるので
『頑張ろうおじさん』です。   

おばけちゃんも、この事は、誰にも教えないことにしました。  
しかし、数ヵ月後、外国の方から日本の国にお礼が来て
みんなに分かっちゃったそうです。

それでもケチおじさんは、今もなお 「安くしてよ」で 
買い物してるそうです・・・。


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新「お化けの住む村」 その6 [新「お化けの住む村」]

アメリカからきた女の子フェアリーは、
友達もできて元気になり、
村では妖精ちゃんと呼ばれています。

今日は、村長さんと隣のとなりの
大きな村にでかけることになりました。
オバケちゃんもこっそりお供です。


隣の隣の村長さんは妖精ちゃんの村長さんと仲良しです。

「よう来てくれたね。実は、息子の嫁さん、
どの子にしようか迷っている。 知恵かしておくれよ。」

そうなんです。お嫁さんを探しているといったら、
あちらこちらの村から候補が
100人きて、てんやわんや!

みんな、それぞれに良いところあるし、
どうしたもんだろうと、村長さんに、相談してきました。

村長 : 「うーん・・・100人ですか・・・。
それで息子さんのお気にはいないんですか?」

隣の村長 : 「やさしい子、それだけでいいよ。 
それしか言わないんだよ。」

村長さんと隣の隣の村長さんは頭をかかえています。
良い考えが浮かばないで、夜をむかえました。

オバケちゃんが息子さんの部屋の屋根裏に来ると
部屋から話し声が聞こえてきました。

実は息子さんには、好きな人がいたんですね・・・。
でも、いいだせなくて、こんな大騒ぎに。 
大事なことなのに・・・。


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次の日、お嫁さん候補の前で村長さんが言いました。

「これから、妖精ちゃんが隠れるので、
一番先に見つけた方がお嫁さんになっていただきます。」

「お昼までに探せないときは、みなさん失格です。」

それではみなさん100 数えてください。
1,2、・・・10.11.・・・・・。

さぁ、大変!
村も知らない妖精ちゃん、どこにかくれればいいのか?

33、34、・・・。
妖精ちゃんは外に隠れようと玄関にいくと
履物がありません。
しかたないのでお便所に隠れようとすると、
中にだれか入っています。

右に行こうとするといけなかったり、
なにか行き先を決められたように
息子さんの部屋の押入れに隠れました。

98,99,100! 
100人のお嫁さん候補は村中探しています。

どこを探してもいないので、
村長さんの部屋も探しに来ましたが、
息子さんの部屋まで来ると

「まさか、ここには、かくれるわけないでしょう。」 大勢の方、調べません。

なぜなら、息子さんの好きな女性もここに隠れてて、ここに近づくと
息子さんがいれてくれません。

押入れの下と上にわかれて隠れています。
とうとう、だれも探せないで、村長さんに少々のお金を頂いて
みんな、帰っていきました。

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おなかがすいた妖精ちゃん、
「もーういいかい?」声をだしました。

すると同じ押入れから「まぁーだだよ」返事が返ってきました。

うっかり返事してしまったんですね・・・。

息子さんと女の方は 、村長さんのまえにつれていかれましたが
すべてをおはなしして お嫁さんになることができましたとさ。

最初から大事な話のときは自分の意見をいわないとあとで悔やむよ♪

・・・・・。
あれ? さっき無かった履物がでてきたよ?
どこにあったんだろうね?


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新「お化けの住む村」 その5 [新「お化けの住む村」]

山向こうの村も近くなり、この小さな村も
人が遊びにくるようになりました。

海からも、外国からのお客さんが、くるようになりました。

村長さんの家には、アメリカからお客さんが来ています。
中国に、商売に行くので娘さんを日本で、勉強させてほしい。

預かってほしいそうです。
舟の上の生活ばかりだと、一人ぽっちだし、友達を作らせたいとか。
村長さんは、こころよく引き受けました。
舟は出発。 
後にのこった女の子、名前はフェアリー。

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次の日の朝。
学校の校庭に生徒が並んで立っています。
朝の朝礼です。

校長先生のお話が終わると、校長先生は2人の方を
壇上に呼びました。

一人は、青い目の女の子、フェアリー。
「みんななかよくね」

でも、子供たちは、はじめてみる青い目の子にびっくり!
フェアリーも、沢山の人の前。 びっくり! 言葉もでませんでした。
いつも一人だったので、無理もありません。

そして、もう一人は、ちょっと焼けた丸い顔の男の方です。
「おはようございます。夢野大地です。
船で怪我をして病院にいましたが、怪我が治ったので、
今日から、この学校で先生として、頑張ります。
みなさん、仲良くして下さい。」

覚えていますか?閻魔様の前で天国に行きたくないと
意地を張っていたあの方を・・・。
その方、夢野大地先生が、元気になって戻って来られたのです。
でも、地獄の1丁目で、閻魔様とお話しした事は何も覚えていません。

一方、外国から来たフェアリーちゃんは、
挨拶もできないで村長さんの家にとじこもりです。
何日も何日も、窓から見える少しだけの海を、見ています。
・・・かわいそうに。

それを屋根裏でみていたオバケちゃん。 
またまた頑張っちゃいました。
月のきれいで明るい夜中、でかけていきました。
何処へいくんだろう?

フェアリーが窓をたたく音で目を覚ましました。
窓を開けると朝日がちょっぴり顔をだしてて、
その光でなにやら光っています。きれいな貝がらです。

そこまで行くと、もうひとつ。 また、ひとつ・・・。またまたと、
いつの間にか海辺まで。 
海辺には、お魚を捕る漁師さんが。
子供たちもお手伝いしています。


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子供たちはフェアリーを見つけると 
「おおい。手伝ってよ!」声かけてきました。 
よいしょ。よいしょ。 たくさんのお魚が捕れました。

すると、
「ごめんよ。恥ずかしくて声、かけられなかったんだあ」
「ぼくも」 「わたしも」 子供たちが謝ってきました。

「おわびに良い所、秘密の場所に案内するよ。」
そう言って、海が遠くまで見える丘を教えてくれました。
フェアリーも、「ありがとう。わたしも恥ずかしがって」
もう大丈夫! みんなお友達ですね♪

夢野大地先生は、早速授業の準備でてんてこまいです。
社会と国語を教えるので、両方の教科書を見たり、
大学で集めた写真や、日記帳を子供たちに見せようと
資料作りで忙しそうです。


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あれれ? オバケちゃんは何してくれたんだろう?
また、屋根裏でおねむしてるよ?

みんなはできるかなあ? 
はじめてのときは、よろしくね!声かけようね!


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新「お化けの住む村」 その4 [新「お化けの住む村」]

ワンワン ニャァニャァ

村長さんの庭の猫や犬の鳴き声で
目を覚ましたオバケちゃん。

外に出て見ると、なんだが、
村の広場でザワザワと声がします。

「俺、今日金の鶏を見たよ! 
金の卵を産む 珍しい鶏だよ!」

どこから、来たのか 薬売りの男が、
一生懸命村人に叫んでいます。

「金の鶏はどこへ行ったの?」 
村人はワクワクしながら聞いてきます。

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「金の鶏は、向こうの裏山へ歩いて行ったよ。
今、追いかければ、捕まるかもよ。」

それを、聞いた村人たちは、
こぞって裏山の方へ飛んでいきました。


・・・・・。
しめしめ。 上手く行った。

誰もいなくなった、村の中で一人
薬売りの男は、荷物をおろし、
空っぽの村人たちの家へと入って行きます。

そうなんです。 薬売りの男は、
実は、 泥棒だったんです!

村人が、山の中へ行ってしまい、
空っぽになった、村の中で、泥棒はやりたい放題です。

「この家は、貧乏だから何もないなぁ。」
「この家は、箪笥の中に小金がたくさんあるなぁ。」

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オバケちゃんは、黙って見ているうちに、
だんだん怒ってきました。

そして、今度は泥棒さん。
なんと、村長さんの家へ!

「ほぅほぅ。ここは、裕福だから宝がたくさんあるなあ。」

泥棒さんは、村長さんの家から
何度も荷物を運び出しています。

オバケちゃんは、泥棒が舟からいない間に、
舟に積んであった荷物をせっせと、元の家に戻しました。
代わりに、川原の石をどんどん積んで行きました。

村長さんの家の宝も、
泥棒さんがいない間に村長さんの家に戻しました。

そして、また石を舟の底に・・・。


泥棒さんが、運び疲れてウトウトしているうちに、
舟の底に、小さい穴をあけておきました。

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一夜明けて。
結局、金の鶏を見つけられなかった村人たちは
がっかりして、疲れて、家に戻って、ぐっすり寝てしまいました。

少したって、みんなが目を覚ますと、
山の中を駆け回ったおかげで、山に道が・・・。

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いつも、隣の村へ行くのに、舟を使って
海を遠回りして、通っていたのですが、

山に道が出来たお陰で、隣の村へ行くのに、
ずっとずっと楽になりました。

これも、泥棒さんのお陰?

ところで、何も知らない泥棒さん。
川に沈んで、風邪ひいてないかなあ?

オバケちゃんは、何もなかったように
藁の中で、ぐっする眠っています。

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新「お化けの住む村」 その3 [新「お化けの住む村」]

チュン チュン チュン

小鳥さんたちが元気よく鳴いています。

おばけちゃんは
小鳥の声で目を覚ましました。

少し薄暗い ふんわりした場所にいます。

ここはどこだろう・・・? 
おばけちゃんはきょろきょろと周りを見ました。

ここは村の村長さんの家の屋根裏部屋です。
ぎっしりの藁に包まれて 
おばけちゃんは旅の疲れでぐっすり寝ていました。

ここはどんな村なんだろう?
興味しんしんのおばけちゃんは 
早速 外へおでかけです。

外は綺麗な山に囲まれて 
木々が立ち並ぶ小さな村でした。

畑でせっせと働くおじさんや
棒を持って走りまわる子供たち。

村長さんの家の庭では猫さんが 
たくさんひなたぼっこしています。

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村の東には小川が流れていて
お腹がすいたおばけちゃんは 
小川に水を飲みにいきました。

綺麗な水が流れています。
山の湧水がそのまま流れているのでとても美味しいお水でした。

おばけちゃんは夢中になってお水を飲んでいるうちに
小川の流れにながされて 
どんどん 下流へと下っていってしまいました。

気がつくと 
目の前に大きな水だけの景色が広がります。

海です。 
おばけちゃんは とうとう海にまで流されてしまいました。

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こんな大きなお水なら もっと美味しいだろう と

おばけちゃんは 波の側でごっくんとお水を飲みました。

うわっ! しょっぱい!!

おばけちゃんは海の水がはじめて
しょっぱいお水だという事がわかりました。

いろいろ見て 海まで来てしまい 
すっかり疲れたおばけちゃんは
もと来た小川の流れをたどって 
村長さんの家まで帰りました。

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新「お化けの住む村」 その2 [新「お化けの住む村」]

ある日 一人の魂が閻魔様の素へやってきました。

閻魔様は言いました。
「あなたは学校で真面目に勉強してきたから天国です」

そしておばけちゃんが案内しようと 
「こちらです」と言ったけれど
その魂は動こうとしません。

何か思いつめた表情で、閻魔様を見続けています。

閻魔様は 
「どうして天国へ行かないのか?」と尋ねました。

すると 魂さんは言いました。

「僕は学校の先生になりたくて一生懸命勉強してきました。
そして 今度小さな島の小さな学校の先生になれると知り
その島へ向かう船にのっていたら 
大津波でここへ来てしまいました。

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僕は小さな島の子供達に勉強だけじゃなくて
大きな町の賑やかな話しや夢の話しをたくさんしたかったです。
だから 天国なんか行きたくないのです!」と。

閻魔様は困ってしまいしばらく考えこんでしまいました。
そして 大分時間がたった時に こう言いました。

「それなら あなたをもう一度生き返らせて上げましょう
そしてその島で学校の先生として生きていくことができます。
しかし 今ここでこうして話しをしている記憶は消えてしまいます。
それでもいいのなら願いを叶えましょう。」

「是非 是非お願いします 一生懸命頑張ります!」

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こうして閻魔様の計らいで 
この方の魂は人間の世界へ戻ることになりました。

すると話しを聞いていたおばけちゃんがいきなり声をあげました。

「閻魔様! 私は人間の世界を知りません。
私も人間の世界へ行ってみたいです」と

閻魔様は
「それならあなたは おばけちゃんと一緒に人間の世界へ
行くことになるでしょう。 
おばけちゃんも、人間の世界で色々な経験をしてくると良いです。」

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こうして この方の魂とおばけちゃんは
人間の世界へ行くことになりました。

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新「お化けの住む村」 その1 [新「お化けの住む村」]

ここは地獄の1丁目。
閻魔様が忙しく仕事をしています。

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「あなたは泥棒をしたから地獄へ行きなさい。」
「あなたは 真面目に生きてきたから天国です。」

ここでは死んでしまった方の魂が
地獄へ行くのか天国なのかを
閻魔様が決めているのです 。

今日は大嵐でたくさんの人が死んでしまったので大忙しです。

「天国へ行く方はこちらですよ」
一人の魂を頭上の青白い雲の光へと案内している子がいます。

おばけちゃんです。
おばけちゃんは昔 生まれたばかりの赤ちゃんが
原因不明の熱病で亡くなった魂です。

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はじめに地獄の一丁目に来た時
声もだせず 話しもできず
ただ もじもじしているだけの
おばけちゃんを、閻魔様が見て、

「お前はまだ何も知恵が無い 一人でさまようには可哀そうだから
私のそばにいて ゆっくりしていなさい」
と言いました

そうしておばけちゃんは閻魔様の側でのんびり過ごすことになりました。

そのうち 忙しい閻魔様のお手伝いがしたくなって
天国に行く魂を案内するお手伝いをはじめました。


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