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新「お化けの住む村」 その4 [新「お化けの住む村」]

ワンワン ニャァニャァ

村長さんの庭の猫や犬の鳴き声で
目を覚ましたオバケちゃん。

外に出て見ると、なんだが、
村の広場でザワザワと声がします。

「俺、今日金の鶏を見たよ! 
金の卵を産む 珍しい鶏だよ!」

どこから、来たのか 薬売りの男が、
一生懸命村人に叫んでいます。

「金の鶏はどこへ行ったの?」 
村人はワクワクしながら聞いてきます。

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「金の鶏は、向こうの裏山へ歩いて行ったよ。
今、追いかければ、捕まるかもよ。」

それを、聞いた村人たちは、
こぞって裏山の方へ飛んでいきました。


・・・・・。
しめしめ。 上手く行った。

誰もいなくなった、村の中で一人
薬売りの男は、荷物をおろし、
空っぽの村人たちの家へと入って行きます。

そうなんです。 薬売りの男は、
実は、 泥棒だったんです!

村人が、山の中へ行ってしまい、
空っぽになった、村の中で、泥棒はやりたい放題です。

「この家は、貧乏だから何もないなぁ。」
「この家は、箪笥の中に小金がたくさんあるなぁ。」

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オバケちゃんは、黙って見ているうちに、
だんだん怒ってきました。

そして、今度は泥棒さん。
なんと、村長さんの家へ!

「ほぅほぅ。ここは、裕福だから宝がたくさんあるなあ。」

泥棒さんは、村長さんの家から
何度も荷物を運び出しています。

オバケちゃんは、泥棒が舟からいない間に、
舟に積んであった荷物をせっせと、元の家に戻しました。
代わりに、川原の石をどんどん積んで行きました。

村長さんの家の宝も、
泥棒さんがいない間に村長さんの家に戻しました。

そして、また石を舟の底に・・・。


泥棒さんが、運び疲れてウトウトしているうちに、
舟の底に、小さい穴をあけておきました。

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一夜明けて。
結局、金の鶏を見つけられなかった村人たちは
がっかりして、疲れて、家に戻って、ぐっすり寝てしまいました。

少したって、みんなが目を覚ますと、
山の中を駆け回ったおかげで、山に道が・・・。

n73.jpg


いつも、隣の村へ行くのに、舟を使って
海を遠回りして、通っていたのですが、

山に道が出来たお陰で、隣の村へ行くのに、
ずっとずっと楽になりました。

これも、泥棒さんのお陰?

ところで、何も知らない泥棒さん。
川に沈んで、風邪ひいてないかなあ?

オバケちゃんは、何もなかったように
藁の中で、ぐっする眠っています。




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